オーストラリアの食料戦略

食料自給率が主要先進国のなかでもトップクラス

2007年の厚生労働省の資料によると、オーストラリアの食料自給率は173%と世界でもトップクラス。オーストラリアは農業立国で、自国で安い麦、安い肉を大量生産しているため、輸入をする必要がありません。商品輸出全体に占める農産物の割合は約4分の1を占めます。オーストラリアの内陸部は、高温と乾燥した気候のため穀物は育ちませんが、羊や牛の放牧には適しています。土地が広いため農場が広く、1平方キロメートルあたりの羊の数はたったの28頭です。
温暖な地帯では、牧羊のほかに、小麦の栽培を合わせた農業を営んでいます。牧羊のほかに牛、小麦以外の穀物も栽培している農家も多いです。温暖な地域の農場は一般的に乾燥地帯の農場より小規模ですが、それでも1平方キロメートルあたり、約750頭で放牧されています。

オーストラリアは世界最大級の牛肉輸出国

オーストラリアは現在100か国以上の国に牛肉を輸出しています。実は日本は最大の輸出相手国で、日本で食されている牛肉の3割以上がオージービーフです。オージービーフのオージーとはオーストラリア生まれという意味です。オージービーフは官民一体で品質を守っています。オージービーフのすべての牛は生産者の証明書付きで出荷されており、厳しい品質体制と監査システムが導入されています。
他にもオージー・ラムがあり、今では日本の牛肉・羊肉の全消費量の半分を占めています。

オーストラリアの養殖業

オーストラリアの養殖業は、近年目覚ましい発展を遂げつつあります。有名なのは南オーストラリア州の蓄養マグロやタスマニア州のアトランティックサーモンですが、最近では他にアワビ、タイ、ブリ、ウナギ、タツノオトシゴなどの養殖も行われ始めています。天然漁業が持続再生可能な限界レベルに達する中、クリーンで豊富な海洋資源を有するオーストラリアの養殖漁業の拡大に、関係者から大きな期待が寄せられています。

オーストラリアは、世界で3番目に大きい漁業面積を有しています。しかし、漁獲量でみると意外にも世界で55番目に低くなっています。商業用に取引されている漁獲の数は世界1位です。オーストラリアの近年の水産業界は比較的順調で、養殖漁業の生産額は、98年度、99年度に前年度比20%増の6億オーストラリアドルまで拡大をしました。

そして、近年もっとも急速に成長しているのは、ミナミマグロの養殖です。ミナミマグロの養殖は、91年から始まりました。漁獲割当量に価値を付加する手段として始まりました。

沖合で捕獲したマグロを海中ケージの中で3~6か月程度蓄養し、太らせてから出荷をします。97年ごろから急速に拡大し、現在はほとんどが蓄養されて出荷されています。例えば、タスマニア州のアトランティックサるンの養殖も増加傾向で推移しています。日本市場での評価は高く、刺身やすし用に定着しつつあります。

また、鯛の養殖も商業ベースになりつつあります。ほとんどの州では実験段階ですが、ニューサウスウェールズの養殖業者は、2000年に養殖の鯛を40t出荷しました。

日本国内で麺類に小麦

日本国内で麺類に使用される小麦は、約90%がオーストラリアで生産されています。オーストラリア全体の年間小麦生産量は約2,150万t程度です。
日本の年間小麦消費量は約510万tですから、その生産量の大きさがわかります。日本国内においては、ASWというオーストラリア産生産量全体の約4%程度を占める、日本独自仕様向けの小麦があります。オーストラリアの国内の小麦消費量は、平年で年間約500t(内、250万tが飼料用)です。ただし、干ばつ時には他の穀物をカバーするための消費量は増える傾向にあり、ここ数年は600万程度に国内消費は増加しています。